【完結】bitter step!
「や、迷ったとかじゃなくてさ。すぐに断るつもりで言いかけたら、止められたんだよ向こうに」

と、返事を遮られた時の先輩の例の言葉を、今度は誤解や早とちりがないよう正確に伝えた。
すると2人は揃って、「うーん」と考え込む。


「なお、会長と話したこともなかったのよね」

「うん、昨日が初めてだってば」


美紗はまた小首を傾げて「うーん」と唸った。
純平は……既に、考えるのを放棄した様子だけど。

なんとなく、美紗なら答えを出してくれるような気がしてボクは待った。


「3年生は、もう卒業ね」

……ああ、言われてみれば。
あの人はひとつ年上で、来月には卒業していくんだ。


「生徒会長、卒業までの間に、もう少しなおに近づきたいんじゃない?」

「は? なんでだよ」

ボクより早く、やけに食いついたのは純平だ。

「なんで純平がムキになるのよ」

と、顔をしかめた美紗が、ぐいっと近づいてきた彼を片手で追い払った。
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