【完結】bitter step!
「なお。……コレ、遅くなったけど」
突然差し出された、淡いブルーの包装紙で綺麗にラッピングされた小箱は
「あ……、ホワイトデー?」
「手作り、じゃないけど」
はにかんで冗談めかしたその言葉に笑いながら、ボクもカバンにしのばせていた包みを取り出した。
「ボクも」
「え……ホワイト、デー?」
「まさか」
何て言ったら伝わるんだろう。
ええと――、
「先輩、だけのために……、作りたくて」
だめだ、恥ずかしい。
バレンタインの時のは美紗や純平もあわせたみんなのために作ったヤツだから、今度は先輩だけのために……って言いたかったけど、前半が丸っとなくなった。
後半が残っただけマシか。
伝わらないことは、ないだろ。
時間が止まったようにピタッと静止した先輩が、再び動いたのは、たっぷり30秒以上は経過した後だった。
突然差し出された、淡いブルーの包装紙で綺麗にラッピングされた小箱は
「あ……、ホワイトデー?」
「手作り、じゃないけど」
はにかんで冗談めかしたその言葉に笑いながら、ボクもカバンにしのばせていた包みを取り出した。
「ボクも」
「え……ホワイト、デー?」
「まさか」
何て言ったら伝わるんだろう。
ええと――、
「先輩、だけのために……、作りたくて」
だめだ、恥ずかしい。
バレンタインの時のは美紗や純平もあわせたみんなのために作ったヤツだから、今度は先輩だけのために……って言いたかったけど、前半が丸っとなくなった。
後半が残っただけマシか。
伝わらないことは、ないだろ。
時間が止まったようにピタッと静止した先輩が、再び動いたのは、たっぷり30秒以上は経過した後だった。