【完結】bitter step!
「お?うるせーな。色々あんだよ、男同士には」

わざと挑発的な笑い方をした純平が、当たり前のようにボクの右隣に座る。

純平は、生徒会長との間柄を『男同士』と呼ぶらしい。
その通りなのだけど。


「な、先輩」

純平がそう言うと、先輩までもが意味深に含みを持たせた笑いをするのが、すごく、物凄く気に入らなかった。


なんだか、ムカつく。
ウーロン茶代、払うつもりだったけど、止めた。


「なーなー、なお」

だらしなく長机に上半身を投げ出した純平が、下から顔を覗き込んでくる。

「なんだよ」

さっさと弁当食え。
……イライラする。


「知ってっか?先輩の名前」

「……知らねーよ」

うるせーよ。
どうでもいいよそんなこと。


最後のから揚げに箸を突き刺した。
力を入れ過ぎて、から揚げどころか弁当箱の底も突き抜けた衝撃が、長机をガンッと叩いた。
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