初恋の通り道
中学生のときのこと


桐斗君は同じクラスの斜め右前の席


女子と話すのは得意じゃないみたいだ





ただ特別

隣の席の鈴木 まなか(すずき まなか)ちゃんには違った

私の好きな目尻が下がってニカって笑う笑顔はまなかちゃんには向けられていた





片思いが続いたまま中3の秋

級長だった私は先生に雑用を頼まれ 遠く離れている北館まで資料を届けるように言われた


薄暗くて寒い
わざわざこんなところまで人なんかこない

人気のない場所に似つかわしくない声が聞こえる



「付き合ってください!」




え?!へ?!この声の感じは
まなかちゃん?!



ってことは?!




覗いてみると

そこにはサッカー部エースの
新川 佑樹(あらかわ ゆうき)君の姿


ホッとした



ザ・女の子って感じのまなかちゃんは
緊張を隠せないようだった



「ごめん」




といい佑樹君はいなくなった





カタンっ






?!




誰?!
 





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