初恋の通り道
「あれ?!食べてて良かったのに待っててくれたんだ!ありがと!!」


「いえいえ~~美香だっていつも待っててくれるでしょ?さ!食べよ食べよ!!」


「あーー!おいひいー!」


「でも、やっぱまだ少し寒いね!私達以外いなさそうだね~」


「華月!そうでもないみたい!」


「え?!」


「ほらほら!手すりのところにいるじゃん!」


「っえ…」


風になびく茶髪の髪の毛
白く透き通った肌
色素の薄い目
この斜め左後ろから見えるこの景色
身長も顔つきも違うのに
桐斗君って思ってしまったのは





私が未練がましいから?








キキィー…
ドアが開く音


「あ!桐斗君いたよ!」


「やっと見つけた~~」


5、6人の女子達が入っては桐斗という名の
彼に近づく


「ねぇ~~桐斗君の連絡先教えて?ダメ?」


その甘ったるい声は
どこから出してるの?!

心の中でツッコミを入れるも
女子達の誘いは収まらない


「ごめんね?俺、あまり教えたくないんだわ」

文章だけ見ると冷たい1言に見えるが
彼の子犬のような可愛い顔を見てしまうと
かき消されてしまうほど……ヤバイです


でも、確信した
「あんなに女子への対応が上手い人は桐斗君じゃない!!」


「え?!華月どうした?!あのイケメンの名は一之瀬 桐斗っていって結構有名よ?


そうですよね
薄々は気づいていたけど
認めたくなかったのかな

外見も性格も変わった桐斗君だけど
ずっと見ていたんだ
今でもずっと心に残っていたんだよ



「美香~~助けて~~」


嬉しいけど女子に人気な彼を遠くに感じすぎてしまった






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