【短】Another Platonic
その日から俺らは4人でいることが多くなった。
ウッチーは果敢にも、華岡綾乃にアタック(死語?)し続けてた。
そのおかげで俺と葵がふたりきりになる場面が増えたんやから、感謝せなアカンよな。
「内田くんってさあ、ホンマに綾乃のこと好きなんやろね~」
休けいのたび華岡綾乃の席まで行き、愛犬のようにしっぽを振るウッチー。
そんな様子を見て葵はしみじみつぶやいた。
「わたし、綾乃とは中学から一緒にいるけど、あそこまで堂々と口説く人は初めて見たかも」
「あー。男子の間では“身の程知らずキング”って、逆に尊敬されてるよ、あいつ」
あははっ、と葵の笑い声が頭の上で響く。
俺は机にうつ伏せでもたれ、
横向きになった視界で、ウッチーたちを見ていた。
「俺さあ、もしウッチーが華岡のこと落とせたら、昼飯一ヶ月おごるって約束してん」
「何、その賭けみたいなの。趣味悪くない?」
「賭けちゃうよ。応援やろ」
ああ、なるほど、とつぶやく葵。
「でもさ。もしホンマに内田くんが綾乃と付き合ったら、卓巳だって正直羨ましいなあ~って思う?」
「………」
なんで聞くねん、そんなこと。