【短】Another Platonic
【4】真夏の告白
待ちに待った夏休み。
クラスの仲間10人くらいで海に行くことになった。
もちろんその中の4人は、俺ら。
『クラスの子ってことは、女の子もいるんやろ?』
前日の晩、マミちゃんの暗い声が受話器から響いてた。
『たしかに女子もいるけど……別に普通に友達やで?』
『でも中には、気になる子だっているんちゃうん?』
『え?』
『華岡綾乃さんやっけ? すごい可愛いって有名な。
あの人、卓巳のクラスやろ?』
ああ、あっちね。
ホッとため息が出る。
これこら。
俺は何に安心してるねん。
『華岡さんはウッチーが狙ってる人やもん。俺と何か起こるってことは、ありえへんって』
『絶対に?』
『うん。絶対に』
ずるいなあ、って自分でも思う。
マミちゃんの心配がマドンナの方に向いて、俺は気持ちが軽くなったんだ。