【短】Another Platonic
ハラハラと見守る俺の横で、クラスメイトがこんなことを言い出した。
「てかさ~。水野もけっこう可愛いやんな」
えっ!?
「あー、わかる! 綾乃ちゃんに比べれば普通なんやけど、それが逆にいいってゆうか」
ええぇっ!?
「てか水野狙いのヤツ、けっこういるらしいで」
ええええぇぇぇぇーーっ!?
「ちょ、ちょっと待て、お前ら!」
と思わず叫び立ち上がる俺。
「水野やぞ? あの無愛想でつかみ所のない水野やぞ!?」
「うん……どうした? 卓巳」
「アカンって! 水野はやめとけって! あんな性悪と付き合ったら、絶対に尻敷かれるって!!」
「……お、おい。卓巳」
クラスメイトは引きつった顔で、後ろ、と指を差す。
「へ?」
我に返って振り向くと、思いっきり冷たい目で俺をにらむ葵がいた。
「あ……水野…さん」
「だ~ぁれが性悪って? 尻に敷かれるって?」
「いや。あの。何でもないっす。すみません、はい」