【短】Another Platonic
ウッチーはずっと華岡綾乃に恋し続けてたんや。
……今頃、幸せの絶頂やろな。
よかったな。ウッチー。
やっと結ばれて。
親友に訪れた幸福を思うと、胸がホッコリする。
自然と笑顔がこぼれて止まらなくなった。
……おっと、いけねぇ。
これじゃまるで『いいモン見ちゃった、ラッキー♪』って思ってるみたいやんか。
俺はあわてて頬を引き締めた。
「あ、あのさ。どうしよっか、これから」
「そうやねー。親にはもう、綾乃んちに泊まるって言っちゃったし」
今さら家に帰る気にもならず、途方にくれた。
時刻は0時を過ぎていて、俺らみたいな高校生が入れそうな店もない。
財布にはあんまり金入ってへんし。
あるのは自転車と、さっきコンビニで買ったものだけ。
「そうや」
俺はひらめいて言った。
「学校行こっか」