【短】Another Platonic

微笑ましい気持ちで見ていると、ウッチーがこっちを向いた。


「卓巳! 忘れてへんやろな、あの約束。ちゃんと昼メシ一ヶ月おごれよ?」


「わぁったよ」


この会話に食いついてくるクラスメイトたち。


「何? なんで卓巳がウッチーに昼メシおごるわけ??」


「別にー。なんでもない」


「あやしいなーおい!! 教えろって」


「何でもねーって」


ギャーギャー言いながらじゃれ合っていると、教室の扉が開いた。


「あっ、水野!」


俺は立ち上がり、葵のもとに駆け寄る。


「おはよ、水野」

「おはよう」


あ、あれ??
何や? このキモチ。

……前よりさらに、葵が可愛く見える。


やばいな。
そうとうハマってるやん、俺。



「あ、内田くん、今日も綾乃の席にいってるね」


ウッチーたちの姿を見つけて、葵が言った。


「そやねん。ウッチーのやつ、華岡と付き合えたことがホンマに嬉しいんやろな」

「……」

「葵?」



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