【短】Another Platonic
後に葵から聞いた話によると、
人が来ない美術室で昼寝するのが、彼女の楽しみだったらしく。
あん時もまさに熟睡中で、邪魔して起こした俺にムカついてたんやって。
“Don't disturb my pleasure”
私の楽しみを邪魔しないで。
……はい、
ごめんなさいです。
だけどオバケ美術室にたったひとりでいた葵は、俺からするとちょっとカッコよく見えた。
あの年頃の女子といえば、昼メシも休けいも便所でさえも友達と一緒に行動ってイメージやったし、
そういう意味でも、葵は新鮮やったな。
とは言っても、あいつに興味持ったのは一瞬だけで、次の日にはもう忘れてた。
あの頃ってとにかく、毎日が新しい刺激に満ちてたから。
ひとつの出来事や、ひとりの女の子に執着するってこと、あんまりなかった。
でも、一応彼女はいたよ。
近所の女子高の子。
合コンで知り合って、
たまたま席がとなりで、
俺らめっちゃ気ぃ合うや~ん!で、
その日のうちにエッチして。
んー。我ながら若かった。
名前は……何やっけ。
ああ、そや、思い出した。
“マミちゃん”