【短】Another Platonic
俺は葵をベッドに押し倒して、服を脱がせた。
キスしながら手探りで電気を消した。
学校さぼって朝っぱらから、何やってんねん、俺。
……なんて冷静なツッコミは忘却の彼方。
そんなの、スイッチが入った17歳の男子に通用するわけがない。
暗闇の中で愛撫してたら、葵の声が変化していった。
かすれて、高くなって――しだいに押し殺したような声に。
ふと、違和感が胸をかすめた。
おそるおそる葵の頬に手を伸ばすと、指先が濡れた。
俺はあわてて部屋の電気をつける。
明るくなった部屋。
俺の腕の下で、葵は泣いていた。
「なんで……?」
「……っ」
「俺、何かした? もしかして痛かった?」
「違……」
離れかけた俺の腕をつかみ、葵は首をふる。
「大丈夫やから。続けて」
「でも」
「続けてよ」
「水野……」
「続けてってば!!」
空気をびりびり震わせるような叫び声。
葵のこんな姿、初めて見た。