【短】Another Platonic


幸せはもろすぎて

崩れるのなんか一瞬で。



ほんの半年前までは一緒に笑ってたのに。



お前にはずっと

笑っていてほしかったのに。








俺はゆっくりとベッドから起き上がり、保健室を出た。


頬には涙が流れてた。

自分のための涙だ。

悲しくて、俺はひとりで泣いた。




なあ、葵。


最後くらい、お前のために泣けばよかった。









俺たちが恋人同士じゃなくなったのは、その2日後のことだった。


別れを切り出したのがどちらからだったか、ちゃんと思い出せない。


もしかしたら別れの言葉なんか必要なかったのかもしれない。



そのくらい、俺たちはもう疲れ切っていたんだ。






< 77 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop