【短】Another Platonic
俺らはベッドに腰を下ろし、服も脱がずに世間話に花を咲かせた。
葵やウッチーの話題には、お互い触れなかった。
華岡はしきりに「申し訳ない」と言っていた。
お金をもらってるのに、何もしないのは申し訳ないって。
「俺がそうしたいってお願いしたんやから、華岡さんが気にする必要ないやん」
「……ありがと」
華岡はまた、悲しげな笑顔になる。
ふと思った。
この笑い方、誰かに似てるなって。
あ……そっか。
葵や。
葵の笑顔にどことなく似てるんや。
「ん? どうしたの?」
まじまじと見つめる俺に気づき、華岡は首をかしげる。
「……あのさ。もし話したくなかったら、話さんでいいんやけど」
俺は膝の上で両手を組み、大きく息を吸った。
「辛くない? 好きでもない男に抱かれるの」
「……」
華岡の表情は静かだった。
どんな言葉が返ってくるのか、俺は怖くて、でも聞きたかった。
「辛いよ」
と華岡は言った。
「辛くないわけないやん」
「だったらなんで……?」