【短】Another Platonic
最後に、葵の話をしよう。
実は、夜回りがきっかけで、
俺たちはその後、偶然の再会を果たすことになる。
そのまま運命に身を任せ、めでたくゴールイン。
……と行きたいとこやけど、もちろん現実はそんなに甘くはなく
葵は他の男を選んでしまうわけだけど。
でも、寂しくはないねんな。
だって俺はハッキリと約束したんやから。
――『葵、俺はずっと待ってるから』
好きな男のもとに走っていく、葵の後ろ姿に叫んだ言葉。
あの言葉が本気だと証明できるのは、あと何年待ったときかな。
俺が、おじいちゃんになったくらいかな。
両親は「早く誰かと再婚しろ」って急かすけど
どうせならとことん一人の女を想い続けてみるのも、おもしろそうやん?
……一生涯かけてさ。
こんな俺の、不器用でダサい生き様。
アホだと笑うヤツもいるやろう。
でも、そんなヤツらに俺は言ってやるよ。
“Don't disturb my pleasure”
俺の楽しみを邪魔するな。
【end】