【短】Another Platonic
「何、何? 卓巳、知り合い?」


ウッチーが話に割り込んできた。

が、視線は俺や葵じゃなく、
マドンナ・華岡綾乃に向いている。


さてはウッチー……華岡の友人と俺がつながってることを知って、しめた!と思ってるな。


「ど~も。俺、内田っていいます。ウッチーって呼んで」

「あ、どうも。水野葵です」

「よろしく~」


葵に挨拶するついでに、ちゃっかり華岡綾乃にもスマイルをふりまくウッチー。

おぬし、なかなかやるな。


思いっきり目を合わせて笑いかけてくるウッチーに、マドンナは愛想のいい笑顔で応える。


「華岡綾乃です。よろしくね」


その笑顔の美しさたるや、今まで彼女に興味がなかった俺でさえドキッとするほどで。


いわゆる“ギャル全盛期”だった当時、ああいう正統派の美少女って貴重やった。


日焼けなんかしたことない、と言わんばかりの真っ白の肌は、触ると気持ちよさそう。


すらっとしたスタイルに、ほどよい茶色のストレートの髪、


整った顔立ちから放たれる女神の微笑みに、男どもが騒ぐのも納得できた。



てか、一緒にいる葵がけっして愛想のいいタイプじゃなかったから、よけい華岡綾乃の笑顔が引き立ったんやろな。



まったくタイプの違うあのふたりが、どうして中学からずっと友達なのか、はた目にはちょっと不思議な感じやった。




まあ、今となっちゃ何となくわかるような気もするけど。


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