恋の禁断症状

「…かずゆき、先輩ごっこしよ?」

擦れた声が教室に響く

「こんな状態で何いってんの?もう帰らなくちゃ。用務員さんが鍵をかけに見回りに来るよ」

床に落ちていた赤いスカーフを拾ってマナの制服にきちんとつけてやった

「後処理はもう済んだ?」

ゆっくり首を横に振った

「…まさふみ先輩としたの?」

そして今度は首を縦に振った

「…そうなんだ、大好きな先輩と一緒に過ごせて幸せ?」

思い切り嬉しそうに笑顔を作ってみせたが悲しみは隠せていないかもしれない


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