恋の禁断症状

「そんなふうに見える?…わたしが喜んでいるように見えるの?」

マナはゆっくりと声を押し殺して話した

「身体は悦んでいたけれど、心は渇ききったままなの」

少し震えていた声の訳は目尻から一筋の涙が零れたせいだった

心の奥に憎しみの塊が呻いているようにも思えた

「わからないのよ…」

「ゆっくり起き上がって、痛みはひどくない?ひとりで歩ける?」

「このくらい平気よ、ちょっとヒリヒリするだけだから」

僕が差し出した手を振り払った


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