パートナー(Eijis' black world)
まず、第一に屋上に鍵がかかっていた事…あのドアは職員室にある鍵でしかかけれない。外側にも内側にも鍵穴があり、鍵なしじゃ、ロックなんてできない。

一度職員室から鍵を盗み、職員室に返してもう一度屋上に行くのは不可能。

それに『パートナーはどこ?』という謎の言葉…

遺書とも取れるが、そんななぞなぞみたいな遺書を16歳そこらの少年が書くとは思えない…

翌日、柴田さんに連絡して和久井の両親のところに連れていってもらった…

和久井は一人っ子で両親ともうまくやっていたようだった。

ただ、最近、部活もやっていないのにやけに帰りが遅かったらしい。

両親に心当たりがないか聞いても、「特に…」という返事しか返ってこなかった。

特に収穫もなく、ガッカリして帰ろうとした時、和久井の母親が

「そういえば…最近、翔が私たちの結婚記念日に温泉旅行をプレゼントしてくれたんですよ…本人は小遣いとお年玉を貯めていたっていうんですけど…」

「けど?」

「あの子…最近パソコンを買ったからそんなお金あるはずないんです!」

何かに巻き込まれていた可能性が出てきた。
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