睡恋─彩國演武─
本当の父を幼くして失ったせいなのか、藍は白王によくなついていた。
──だが、事件は起きる。
藍の母親が病で倒れ、そのまま他界したのだ。
原因は白王の妾(めかけ)達による、嫉妬。
白王は子供に恵まれなかった為に、何人もの愛妾を抱えていた。
だが、そのうちの誰とも子はできず、実の子ではない藍を王子にしたことで、母親は何人もの妾から妬まれ、怨みを買ってしまった。
おとなしかった彼女は、精神的にも耐えられない状態だったのかもしれない。
それに、いち早く気が付いていたのは藍だった。
「女なんて醜い、汚らわしい──…」
その後から、藍は極度の女嫌いになり、妾達の住む王室も嫌がるようになった。
優しかった彼の性格も、鬱ぎがちになって酷く歪んだ。
そしてある日突然、彼は消息を絶ってしまう──