糸 By of fate
12月。
冷たい風が吹く夕方。
塾から自転車をこいで家に帰ってる途中。

「~♪~♫」

お気に入りのKanaの曲を聴いて口ずさみながら帰る。
それが塾帰りに私がいつもすること。

ほっぺを通り過ぎる風は冬を代表しているかのように冷たい。

「さむっ・・・。早く帰ろう~・・・。」

早く家に帰りたくて、足に力を入れ、スピードを上げてペダルをこぐ。

いつもと変わらない景色。

少しずつちらつく星々。

運命は突然にやってくる。

信号が青になって横断歩道を渡ろうとする私に飛び込んだのは・・・

自分よりずっと大きなトラック、私を照らす眩しいライト、ハンドルに頭を預けた運転手の顔、耳をつんざくようなクラクション。

そしてー。

                                                              真っ暗な闇の世界・・・
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