深紅の花に姫君《改装版》
「お前、今日から王子の側近だ!!」
「はぁ。………は?」
今何と?今何とおっしゃったんだこの人は。
俺の耳がイカれてなければ王子の側近がどうのって聞こえたぞ。
「だから、側近だぞ。ガハハハハッ!」
「はぁ!?笑い事じゃねぇー!!」
どんだけだよ!!側近だぞ!?
王子の側近なんて、重役、俺じゃまずいだろ!!
入団してまだ2年だぞ、この国どうなってんだよ!!
「お前の腕と、何より歳が王子と近い事で選んだ」
「はぁ?歳っすか、それ関係無いですよね」
王子と歳が近いからって選ばれてもな。
嬉しくねぇ……
「お前、何言ってんだぁ?大いに関係あるぞ」
「どこに関係があんですか」
怪訝そうに団長を見ると、団長は面白そうに俺を見る。
「騎士にとって守るべきモノとはなんだ?」
「………何すか、急に」
騎士にとって守るべきものなんて、当然………
「王と民っすかね」
「ざっくりだな、お前は。ならば、質問を変えるぞ。その王や民を、守るとはどういう事だ」
はぁ……?
わけわからねぇ……そんな事聞いて何になるんだか。
「あー……剣で命を守る事?」
「半分正解、半分不正解だな」
不正解だぁ?それ以外、どんな答えがあるんだよ。
俺たちは命を守る為に戦うんじゃねぇのか?