深紅の花に姫君《改装版》
「…………お前が、好きだからだ」
真剣で、真っ直ぐな視線が私を見つめる。
「え……好きって………」
レインが、私を??
目を見開き固まる私に、レインは手を伸ばした。
そして……
「お前が好きだ、スイラン。お前がたとえ、男でも……」
「!!」
そうだ、私は今男の姿だった。
「もう、男とか女とか、どうでもいい。優しくていつでも自分は後回しなお前を守りたい。スイランという一人の人間が好きなんだよ」
「レイン………」
冗談でも、からかいでも無い事は分かった。
でも、まさか性別まで越えて私を好きになってくれるとは思ってなかったよ……
「お前が王子でも、俺はお前が欲しい」
次々に語られる愛の言葉に、泣きたいくらい嬉しかった。
好きになるって、性別とか、そんなのささいな事で、その人がどれだけ好きかって事が大切なんだ。
私も、レインが女の子だったとしても、きっと好きになってた。レイン・クロードという一人の人間を愛してる。
「レイン、私もあなたが好き…」
いつでも、私の事を考えてくれる。
宿命、身分さえからも私を守ろうとしてくれた。