深紅の花に姫君《改装版》


「泣くな……お前は悪くねぇよ。俺が、俺のためにお前を拐ったんだ」


私の涙を拭うように瞼に口づけられた。
そのレインの顔は、悲しそうで、胸が締め付けられた。


「っふ………」


「………んんっ」



レインは、私の服を脱がせ、首筋から胸元に口づけようとして、驚きに起き上がった。


「お前っ…………」


レインは、私の女の体を見て目を見開いた。
そんなレインに、私は笑ってしまう。


「ずっと言いたかった……私は女だよって……」


レインの前では、ありのままの私でいたかった。


「薔薇の姫である事を隠して生きる為には、王子の姿で生きるしかなかったの。まぁ、18才までって決まりはあるんだけど……」


王子として、男の姿で生きてきた。
本来の私を知る人は少ない。


「何だよ……俺、すげぇ悩んだのに……」


レインは「はぁ……」と疲れたようにため息をついた。


「え!レイン、男の子の私の方が良かったとか……」


それはそれで悲しいんだけど!!


「違ぇよ!嬉しいんだ、これで、堂々とお前を抱ける」

「えっ!!」

「あいにく、男は抱いた事ねぇから、どうすればいいのか余裕が無かったんだよ」


レインの言葉に私は顔が真っ赤になった。


だ、抱くとか……普通に言わないでよ!!
恥ずかしいんだから………


「あ、でも……って事は、女の人は抱いた事あるの!?」


“男は“って言ったよね!?
じゃあ女の人は…………


























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