深紅の花に姫君《改装版》


「この殺され方………」


レインは村人の死体に考え込んだ。


「何かに噛まれたみたい………」


そう、まるで…………


あの紅い瞳を思い出す。
血を好み、殺戮に快楽を感じる存在………



「鋭い牙をもつ、ヴァンパイアみたいな………」

「………アルバンテールだけじゃねぇのか……」



私達は呆然と立ち尽くす。
これが、ヴァンパイアの脅威なんだ。



「………旅人……かね……」


すると、焼け落ちた家の残骸の後ろから、老人が現れた。ボロボロの衣服に怪我を見て、この村の人間だと分かった。


「酷い怪我………手当しなきゃ……」


私には、傷を癒す力が………


「………それは使うな。お前をもう傷つかせたくない」


私が力を使おうとしたのに気付いたのか、レインはすぐさま止めた。











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