深紅の花に姫君《改装版》
「レインよ、何があっても、何を知ったとしても王子の味方でいてくれないか?」
ケナン王は真剣な瞳で俺を見据える。
何を知ったとしても……?
それじゃあ、王子には何かあるって言ってるようなもんじゃねぇか。
一体、王子って何者だよ。
「俺からも頼んだ。王子を守ってやってくれ」
「はい、もちろんそのつもりです」
アルバンテール王子、スイラン・アルバンテール王子は、美しいと、有名だが、あまり公の場には姿を表さない。
そういやぁ、スイラン王子は剣術も優れていると聞いたな。
なら、俺が守ってやらなくても、自分で自分の身は守れるんじゃねーか?
「スイラン王子は剣術も得意だとか、私が出る幕も無いかもしれませんよ?」
遠回しにスイラン王子の事を探ってみる。すると、とんでもない返答が返ってきた。
「ガッハハッ!そりゃあな、剣術を教えたのはこの俺だからなぁ!!」
は??団長がスイラン王子に剣術教えたのかよ!!
なら、尚更俺必要なくね!?
「ははっ、それに、私の子だ。のみ込みも良かった。恐らく、そこら辺の名もない兵士には負けないだろうな」
おいおいおい!!
俺、王子より弱かったら洒落にならねぇよ!!