深紅の花に姫君《改装版》
「お前がいる……好きだ、スイラン。俺の光…」
レインは私の手の甲に口づけを優しく落とした。
「私も好き、レイン。私の光…」
あなたは、私が光だというけど、あなたこそ私の光。きっと、私たちは出会い、共に歩く運命だったんだ。
あなたの苦しみも、私のもの。全てを共にわけあっていく。
「ダートへ行くんだろ」
「うん、ダートはアルバンテールの大切な一部だから」
ついに始まってしまったヴァンパイアと人との争い。ジルド、あのヴァンパイアにも会うことになるのかな。
「お前も、お前の守りたいものも守る」
「嬉しい。ありがとうね、レイン」
私の意志も尊重してくれたレインに私は身を引き締める。
私には、私に出来る事を。この手にある力の使うべき時を見間違わない。
「全軍、ダート城に向かう!!アルバンテール王子、スイラン・アルバンテールに続けー!!」
掲げた私の剣が、炎の赤を反射させ、輝いた。
「「「「「おーーーー!!!!」」」」」
「我らが光よ!!」
「王子と共にー!!!」
私を光と呼ぶのなら、光となれてるなら、私は皆の光であろう。そう決めた瞬間だった。