深紅の花に姫君《改装版》
「お前………馬鹿なの……?なんで、迷いもなくそんな事言えるんだよ……」
弱々しく反論するジルドは、泣いていた。そんなジルドに、私は笑いかける。
「あなたのように、格差や戦に苦しむ世界を変えたい。綺麗事だって分かってる、それでも、私は諦めたくない」
「スイラン…君は、知らないんだ。信じるだけじゃ何も変わらない」
ジルドはもう、逃げようとはしなかった。ただ、頭を垂れている。
「うん、だから、私に力を貸してほしい。誰よりも格差に、権力に苦しめられたあなたなら、この世界を変えられる」
「僕には何もできないよ。そうさ、君以上に無力だから」
「一人なら無理かもしれない。でも、皆でなら変えられる。私たちは、今こそ手を取り合うの」
私、言いたいこと言えたよね?もう、あとはジルドの答えを聞くだけ。
お願い、ジルド。私を、未来を、可能性を信じて!!!
そう強く願い、ギュッと目を閉じた。すると、指先に遠慮がちに触れる温もりを感じた。
私は、嬉しくなり顔をあげ笑顔をむける。