深紅の花に姫君《改装版》
「見てください、あの燃える地上を」
ヴラドは床を指差し、そこに地上が映し出される。
「これは!!!?」
「アルバンテール城!?」
レインと私は床に手を付き、悲鳴に近い声を上げた。
父様がいるアルバンテール城が焼けている。そして、王都も!!
「おぉ、絶望にはまだ足りませんよ?ほら…」
すると、他の床にも映像が映し出された。
他のアルバンテール領地がヴァンパイアとの抗争で赤く燃え盛っていた。
「隊長!!嘘だろ!!」
「レイン!?スヴェンがどうしたの!?」
一つの映像を食い入るように見つめるレインに、私は駆け寄る。そこには、スヴェンが方膝をつき、ヴァンパイアに囲まれている映像だった。
「いやっ!!スヴェン!!」
ううん、スヴェンだけじゃない。他の騎士達も………
炎の中、折り重なる人の山。まるで、地獄だ。