深紅の花に姫君《改装版》
「ヴラド、あなたに私は殺せない」
私が、生きることを諦めていないから。私の命に、皆の希望があるというのなら………
「そうだ、お前にスイランは殺せねぇーよ!!!」
ーブンッ!!!
「グハァ!!!まだ息があった……のですか、人間!!」
私の前には、ボロボロのレインが立っていた。その剣はヴラドの肩口を大きく切り裂いていた。
ヴラドは後ろへ引き、レインを睨み付ける。
「ハッ……人間ナメんなよ……」
不敵に笑い、レインは剣を構え直した。
「お前の勝手で、世界メチャクチャにしてんじゃねぇよ。俺たちはな、馬鹿でも愚かだろーが、必死に生きてんだよ!!」
ーブンッ!!
「必死に?虫かごでもがく虫ケラが!!!」
ーガキーンッ!!!キンッ!!
二つの刃がぶつかり合い、火花が散る。