深紅の花に姫君《改装版》
神々の記憶


『アルバンテール、ここは最も天上に近く、神と人とが共に生きる世界』


神と人とが…………


急に視界が晴れ、そこには自然に溢れ、人の活気に溢れた美しい世界が広がっていた。


『アルバンテールを創造した主神ゼネフ様は、この国を愛し、その愛から私、慈愛の女神アリアが生まれた』


アリア様って、アルバンテールの護り神!?


私は、とんでもない人と今言葉を交わしているらしい。



『この世界は美しく、なによりそこに生きる人は、どんな困難に合おうとも、力強く立ち上がり、野に咲く小さな花のように、可憐で弱々しいのに、生きる力に溢れていた』


女神アリアの声音から、どれだけこの世界を愛しているかが伝わってきた。



『あれを見て………』


目の前の景色が急に変わり、白亜の神殿のような場所で祈りを捧げる一人の少女がいた。


栗色の長い髪をひとつの三つ編みに結い、見たこともない装飾が施された、白いワンピースを着ている。



『あれは、アルバンテールの姫巫女、アスラン・アルバンテール』


アルバンテールの姫巫女………?
私も初めて聞く名前だった。



彼女は人………?



『えぇ、誰よりもこの大地を、人を、そして神をも愛する心優しき純潔の少女』


人と呼ぶには、神聖な雰囲気があった。














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