深紅の花に姫君《改装版》
「ただ、その手段が戦であった事が悲しいのです」
アスランの嘆きは、痛いほどに理解できた。
「あなたには、見えているものがあるのね」
アリア様は優しく微笑み、そしてアスランの頬を撫でた。
「私は、迷いながらも前を向くあなた達を愛しく思うわ」
「アリア様…………」
「私も、この地に残り、力を注ぐわ。アスラン、あなたは、あなたが出来ることを」
アリア様の言葉にアスランは力強く頷いた。
『アルバンテールは、神に見放されたけれど、とても美しく、生きる力に溢れたこの地を、私は離れられなかったわ』
アリア様…………
アリア様は、この地を本当に愛していたんだ。