深紅の花に姫君《改装版》
深紅の花に眠る
ーガキンッ
「ヴラドー!!」
ーキィィーーーンッ
「所詮、消える運命にある分際がーっ!!」
金属のぶつかる音に一気に現実へと引き戻される。
ここはっ………あれ、レインとヴラド‼
わたし、ここに戻ってきたんだ‼
『これが、あなたにかけられた希望……』
「わたしに…かけられた、希望」
あたしが今、レインと生きる道を選ぼうと思えば、世界と引き換えに愛を手に入れることができる。
でも………それは、本当の幸せにはならない。
「レイン」
あたしは、あなたが大切だからこそ、一人にしても、生きていてほしい。
生きているからこそ、感じる幸せがあるから。