深紅の花に姫君《改装版》
ーパァァァッ!!
光が強くなり、花は私を取り込んでいく。
「スイラン!!行くな!!」
レインの、悲痛な叫びを聞きながら、私は花のつぼみの中に閉じ込められた。
そして、急激に体からちからが抜けて、眠気が襲ってくる。
これが………死ぬっていうことなのかな。
私、死ぬっていうのに、心はあの世界に置いてきてしまったみたい。
まだ、私が死を受け入れらず、生にすがってしまってるから?
でも………私…………
きっとまだ、レインと生きていたいって、願ってしまっている。本当は、あなたと生きたかった。
また一段と眠気が襲い、何も考えられなくなる。
レイン…………
大好きなあの人を思い浮かべながら、ついに私は瞳を閉じた。