深紅の花に姫君《改装版》



ーパァァァッ!!


光が強くなり、花は私を取り込んでいく。


「スイラン!!行くな!!」


レインの、悲痛な叫びを聞きながら、私は花のつぼみの中に閉じ込められた。


そして、急激に体からちからが抜けて、眠気が襲ってくる。


これが………死ぬっていうことなのかな。


私、死ぬっていうのに、心はあの世界に置いてきてしまったみたい。


まだ、私が死を受け入れらず、生にすがってしまってるから?


でも………私…………


きっとまだ、レインと生きていたいって、願ってしまっている。本当は、あなたと生きたかった。


また一段と眠気が襲い、何も考えられなくなる。


レイン…………


大好きなあの人を思い浮かべながら、ついに私は瞳を閉じた。



















< 207 / 219 >

この作品をシェア

pagetop