深紅の花に姫君《改装版》
「ありがとう、レイン!嬉しい!」
私は始めて、この偽りの姿で、本当の笑顔を浮かべる事が出来た。
「なっ……………」
レインは何故か私を見て、頬を赤く染める。
首をかしげていると、レインはブンブンっと首を振った。
「お、お前………本当に……。いや、何でもねぇ。けど、あんまし笑いかけんな!」
「え、えぇ?そんな、無茶苦茶な……。僕、何かした?」
ただ、笑っただけなのに…………
「とりあえず、笑いかけんな。笑うときは前もって言え!心の準備が出来てからにしろ!不意打ちはヤバい…」
「うん?よ、よく、わからないけど、レインの言う通りにするよ」
とりあえず、報告してから笑えって事だよね。
私を守る為に必要な作戦か何かかな。
「でも僕、ずっとレインに会いたかったんだ。あの舞踏会の夜から忘れられなかった。また、話してみたいって思ったよ」
こうして、また会えて嬉しい。
「会いたかっただぁ?お前な、よくもそんな恥ずかしい台詞をっ………」
「え、レインはそうは思ってくれなかったの?僕は会いたかったのに!」
そうじゃなかったら、それは寂しいな。
私だけが会いたかったなんて、私の片想いか。