深紅の花に姫君《改装版》
⭐rain side⭐
スイラン王子への挨拶を済ませて俺は、訓練場へと来ていた。すぐに、部屋に戻る気にならなかったからだ。
「アイツ、本当に男か??」
女みたいに綺麗な顔立ち、細い手足、腰の華奢な体つき、しぐさ、笑いかたから何から女みたいだ。
綺麗すぎる男??
にしても、まとってる空気がもう女だ!!
「俺、男に照れたとか………あ、ありえねぇ!!」
アイツは男だ。
服脱いだら俺と同じモンついてるっつうの!!
でも、肌、綺麗そうだよな………
あの手、手触りも良かったし、白くて………
「って、俺は何を妄想してんだ!!」
「うん、お前は何を一人で暴れてんだ?」
いつのまにか、隣にしゃがみ込むジェイドさんがいた。
は!?
いつの間に隣にいたんだ、この人!!
人の気配にすら気がつかないなんて、俺、しっかりしろよな……