深紅の花に姫君《改装版》
「ノリアの花の他にも、アルバンテールには素敵な花が沢山あるから、それも視野に入れてるんだ」
「へぇ、王子ってそんな事までやるのか……」
レインは私を驚いたように見つめる。
そんなレインに、私は笑ってしまった。
「ただ、贅沢な暮らしをしてると思ってた?」
「え。」
図星だったのか、レインは明後日の方向を見つめる。
レインって、わかりやすいなぁ………
「ふふっ、まぁ、そう思うよね、普通。僕の事はあまり公開されていないから」
「悪い。王子ってのは大変なんだな」
しみじみと呟くレインに、私は首を横に振る。
「大変なのは、皆同じ。民を守る為に命を懸けて戦うレイン達騎士も、こうして花を育てるベル達も、それぞれが支え合って生きてるんだから、それに格差はきっとないんだよ」
私は、私に出来る事をやっているだけ。
皆も、自分が出来る事を精一杯にやっているんだ。
「お前………すげぇな、さすが次の王になる奴だ。真っ直ぐで、圧倒されるよ、お前の考え方にさ」
そう…かな??
でも、認められたようで嬉しいな。
「王子、この花ですが………」
「あぁ、説明を頼むよ」
ベルが持ってきた新しい花の説明を聞きながら、私はもっと頑張ろうと気合いが入った。
私も、誰かを自分の方法で支えられるようにと……