深紅の花に姫君《改装版》
「なら、僕たちは食糧もなく飢え死にしろと?」
「その方法を、私の母様は探していたの。私も、必ず見つける。だから……」
「それを待っていたら、飢え死にしちゃうよ。あぁ、なら、それまで君が食糧になってくれるの?それなら、良いけど」
私が……食糧に………?
この血を与えたら、ヴァンパイアは力をつけてしまう。
それに………死ぬかもしれない。
「薔薇の刻印を持つ姫の血なら、肉を喰らわなくても、数日間はなんとかなるかなぁ」
「おい、さっきから薔薇の刻印って……コイツには刻印はねぇよ!血もやらねぇ!近づくな!!」
レインが私を背に庇ってくれる。
レイン……私は、刻印をもってるの。ごめんね、話せなくて…嘘をついてるのに、守ってもらうなんて……
「何?君、知らないわけ?」
「レインには話してない。巻き込みたく無かったから。でも、あなたの鼻は誤魔化せないみたいだから…」
「だって、甘い匂いがプンプンするもん」
私はこうやってヴァンパイアを惹き付ける。
レインはきっと、私のせいで危険な目に沢山合うことになる。