深紅の花に姫君《改装版》
「いや、どちらかといえば女より?あぁ、でも胸無いしな。女よりの男?」
「ひどい!」
それって、オカマって事!?
胸無いのはサラシのせいだってば!!
「はっきりしねぇお前が悪い」
「むっ…………」
言い返せない!!
せめてもの仕返しに、むくれて見せる。
「とにかく、刻印の事は秘密にしてくれ。国家秘密事項だから!」
「側近の俺には最初に説明しとけよな。まぁ、事が事だけに言えなかったんだろうけどよ」
私も、話せるのなら話したいよ。
私が女である事、薔薇の姫、女王としての宿命も、一人で背負うには大きすぎるから…
「僕も、話せるものなら話したかった。だけど、怖かったのかもしれないな。僕の秘密を知れば知るほど、レインは危険な目に合うから」
もう、巻き込んでしまってるけど。それでも、少しでもレインを守りたいと思うのは、私の独りよがりなのかな。