深紅の花に姫君《改装版》
胸にほのかに燃える熱


城に戻り、父様にヴァンパイアとの接触とレインに秘密を知られてしまった事を話すと、一週間の外出禁止が言い渡された。


といっても、城から出なければどこにいてもいいという軽い罰だったのだけれど。



「父様も、娘には甘い所があるよね」


普通なら、外出禁止どころじゃすまないのに。
父様も、レインにならバレてもいいって思ってたのかも。



「そういえば………」


あのヴァンパイア、どうしてあの時引いてくれたんだろう。



「本当に私を食糧としか思ってないなら、きっと話なんて聞いてくれなかったはずだよね」


あのヴァンパイアみたいに、話を聞いてくれるヴァンパイアもいるって事?


でも、彼は300万人もの人間を殺してるんだよ?
それに、母様だって…ヴァンパイアに殺されたんだから。


「母様、どうして母様はヴァンパイアと生きる世界を作ろうとしたの?」


ヴァンパイアのいない世界ではなくて、ヴァンパイアと共存する世界を…


私はバルコニーにある椅子に腰掛けながらそんな事を考えていた。


次にあのヴァンパイアと合う時、私はちゃんと、答えを見つけられてるのかな……

















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