深紅の花に姫君《改装版》
ー鍛練場
「遅かったな、レイン!もう、始まるぞ……って、スイラン王子!?」
鍛練場へ行くと、茶髪の若い男性が私を見て驚きの声を上げる。
「ジェイドさん、静かにしてくださいよ。今回はスイランもここで見学するんで」
「おいおい、呼び捨てかよ!」
「ふふっ」
二人のやり取りに私が笑うと、二人は照れたように私を見た。
あ、笑ったりして失礼だったかな……
すごく、仲良いんだ、二人。
「ごめんなさい、笑ったりして。仲良いなぁって思ったから」
笑うと、男性も優しく笑いかけてくれた。
「これは驚いた、本当にスイラン王子は綺麗なんですね。男にしとくには勿体な……」
「この人は国家認定騎士団の一人で、ジェイド・ガーナン。俺の先輩だ」
「俺を遮るとか、相変わらずひでぇな、レイン。まぁ、そういう事です、ジェイドとお呼び下さい」
気さくなジェイドに私は笑いかける。
「こちらこそ、ジェイド。よろしくお願いします」
レインの先輩なら、きっと良い人だよね。
父様や大臣、レイン以外の人と、こんなに話すのは久しぶりだなぁ…
、