深紅の花に姫君《改装版》


♪~………


音楽が鳴りやむと、ピタリとスヴェンは舞を終えた。
その瞬間、盛大な拍手が鳴り響く。


「スヴェン、素敵だった!」


私も立ち上がって拍手をすると、スヴェンが、こちらに気づき駆け寄ってきた。


「スイラン王子!よく来たなぁ!!ガハハハッ!」

「相変わらず、良い舞を踊るな、スヴェンは」


笑い合うと、レインやジェイド、他の騎士達も集まってきた。


「スイラン王子!お目にかかれて光栄です!!」

「本当に美しい!!」


騎士達に囲まれると、私はお辞儀をした。


「誇り高い騎士団の皆さん。いつも、国や民の為に戦って下さる事、私も誇りに思います。これからも、共に国を守りましょう」


そうお礼を言うと、騎士達は一斉に敬礼した。


騎士団の騎士達、大臣や城に仕える人達全てが私を生かし、民を守り、国を守っているんだ。


私はそれを忘れてはいけないんだよね。



「スイラン王子、王子も舞ってみんか?鈍ってはいないだろう?」


スヴェンから双剣を渡される。
これは、私が舞うときの剣の形式だった。


「結構久しぶりなんだけどな、剣舞は」


数年は舞ってない気がする。
刻印が濃くなってからはあまり祭事にも参加していなかったし………


剣舞は祭事に舞い手が神や見る者に捧げるモノだ。久しぶりだし、出来るかな………



「スイラン王子の舞いは有名ですよ!まるで女神が舞っているようだって!」

「俺も聞いた事がある。迷いの無い美しい剣筋だとか!」


そ、そうなんだ…………
私も知らなかったなぁ、そんな噂があったなんて。
















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