深紅の花に姫君《改装版》
ーパチパチパチパチッ
「相変わらず美しい舞いだなぁ!ガハハハッ!」
スヴェンの声に合わせて拍手と歓声が沸き上がる。周りを見ると、城の給仕達や大臣達まで遠巻きに拍手していた。
やだ、いつの間にこんなに沢山人が集まってたの!?
恥ずかしいな、もう………
「おい、レイン?お前、固まってるけど生きてるかー?」
「………………………」
声が聞こえた方へ視線を向けると、レインの顔の前で手を振るジェイドと、固まるレインがいた。
「レイン?」
どうかしたのかな、なんか、顔が赤いんだけど……
それに、ずっと私を見てるのは何故??
レイン、おかしくなったかな。
「駄目だこりゃ、王子の舞いに当てられたな!」
「レインだけじゃないだろうよ。他の奴もまだ、ぼーっとしてるしなぁ!ガハハハッ」
ため息をつくジェイドと、笑い飛ばすスヴェンに私は笑う。