深紅の花に姫君《改装版》
「そっか、そこまで、気に入ってもらえたなら良かった。舞ったかいがあるよ」
「お前……」
レインがやっと言葉を発した。
「お帰り、こっちの世界に戻ってきたんだ?」
レインの目の前に立ち、顔をのぞき込む。
さっきまでちょっと、どこかに旅立ってたもんね。
「お前、本当になんなんだよ……。俺、お前に見惚れてばっかで、わけわかんねぇよ…」
項垂れるレインに、今度は私が顔を赤くする番だった。
「見惚れ……って、僕は男だって!!」
やだ、なんか熱くなってきた!!
男の姿なのに、見惚れるなんてわけわかんないのはレインの方でしょ!?
「うっせぇ!だからわけわかんねぇんだよ!」
「というか、何でレインが怒ってるんだよ!」
「お前、今度からちょび髭つけて、変顔して歩け!」
「は、はぁ!?」
何!?その罰ゲーム!!
私だけなんでそんな格好しなきゃなんないの!?
「駄目だ、俺の頭がわけわからなくなってきた。誰か、鍛練に付き合って下さいよ」
レインはため息をついて剣を抜き放つ。
そしてジェイド達の所へと歩き出そうとしたレインの腕を私は咄嗟に掴んだ。
「なら、僕と勝負しない?」
レインとの手合わせ、絶対に楽しそう!!
それに、外出禁止で時間ももて余してたし!