深紅の花に姫君《改装版》
「お前、そんな細腕で俺とやりあえるのか?」
疑い深そうに私を見るレインに、私はむくれる。
「これでも、剣筋は良いって評判なんだ。レインこそ、油断して僕にやられないよう気を付けなよ」
これでも、剣には自信があるんだから!!
そこらへんの兵になら、負けない。
「ハッ、なら手合わせしてやる。剣構えろ」
「望む所だ!」
私はレイピアを構え、レインは大剣を構える。
私は、力では男性には叶わない。
だから、スヴェンにも俊敏さを磨くよう指導されてきた。
レイピアは、細い刀身で、力は弱いが、早さに優れている。
また、切るのではなく、突く戦法になるのだ。
「俺から行くぞ!!」
ーガキーンッ!!!
「くっ!!」
重いっ!!!
手がジンジンと痺れる。
咄嗟に、剣で流さなければ、剣を叩き落とされていた。
ーブンッ!!ブンッ!!
あの大剣を、レインは物凄い早さで振り回す。