深紅の花に姫君《改装版》
「フッ!!」
レイピアで突きを入れる。
すると、レインは後ろに飛び退く。
「今だ!!」
逃さないから!!絶対に!!
私はすぐに後を追って突きを入れた。
やった!!
そう思ったのもつかの間、レインは機敏に横に避け、私に大剣を降り下ろす。
「わっ!!」
私は後ろにひっくり返り、頬のすぐ横に剣が突き立てられた。
フワッと前髪が風で靡いた。
「終わり……だな」
私に覆い被さるレインが、不敵に笑う。
「むぅっ、悔しい……」
本当に悔しい!!
というか、そのしてやったみたいなレインの顔に腹が立つ。
「勝負あり!勝者、レイン!」
スヴェンが声を上げると、周りから拍手が沸き起こる。
「王子も、まさかあそこまでレインについていけるなんてな、びっくりだぜ」
「動きが早かった!!すげぇよ!」
あはは、まぁ、やっぱりレインに勝てるなんて自惚れすぎか。でも、私はもっと強くならなくちゃ……
もう二度と、目の前で、大切な人を失わない為に。
この手には、多くの命が預けられてる。
民を守る力が、私には必要なんだ。