深紅の花に姫君《改装版》
⭐rain side⭐
俺の名前はレイン・クロード。
国家認定騎士団に歴代最少年齢16歳で入団し二年が経った。
騎士団にも馴れただろうと、騎士団長は『剣ばっかじゃ脳みそが腐れる!社会経験だぁ、ガッハハッ!』とか言って強引に舞踏会に連れてこられた。
連れてこられたはいいが………
「つまらねぇ!」
さっきから女に話しかけられる!!
鬱陶しい!!
俺は逃げるようにバルコニーへと出る。疲れ果てて、手すりに寄りかかると……
「瞳も同じ銀色なんだ!?」
どこからか、鈴の音のように綺麗な声が聞こえた。
横を見ると、金髪に碧眼の美しい女がいた。
俺に笑いかけるそいつを、まじまじと見つめてしまう。
今まで生きてきて、こんな綺麗な女は、見た事ないぞ……
綺麗だ………まるで、女神のようだ、なんて。
俺は何を言ってんだ??
甘ったるい馬鹿発言をした俺を殴りたい。
それにしても………
おい、よく見ればこいつ、男装してねぇか?
ここは仮装パーティーじゃねぇんだぞ?そんなわけねぇか!
じゃあ、何なんだ、この無駄に美形すぎる男女は!!
「女………?」
それとも、男??
あー、何だよこいつ…………
どちらにせよ、俺はその美しさに目が離せないんだが。
無性に、こいつの事が気になってしょうがなかった。