深紅の花に姫君《改装版》
「待って、レイン!話は終わってな……」
「いいから……」
レインは私の頭を撫でて、私を抱き上げる。
「今は何を話しても無駄だ。お前も、ケナン王もな…。少し、休め。そうしたら、もう一度伝えに行くぞ」
「!!」
レイン………
良かった、レインは私の言葉を否定しないんだ。
私はギュッとレインの首元に顔を埋めた。
「レイン……ありがとう……」
「あぁ、大丈夫だ。ちゃんと伝わる、お前達は家族なんだから」
レインの言葉に、泣きたくなるくらい感謝した。
家族なんだから、父様も分かってくれる。
だから、私は私らしくいよう。
「何かが起こらない為に俺がいるんだろ。少しの無茶くらい多目に見てやるよ」
「うんっ……本当に、ありがとうっ…」
レインに抱きついたままお礼を言うと、レインは少し気恥ずかしそうに「大げさだ」と言って笑った。