深紅の花に姫君《改装版》
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マルクスに連れてこられたのは、城の庭園で、すでにディオナとその護衛の騎士がそこにいた。
「スイラン!!」
ディオナは笑顔で私に駆け寄る。
そんなディオナに笑顔を返した。
ディオナやバルサは私が女である事を知ってる。
ディオナはレインをチラリと見て私に視線を送る。
恐らく、「知っているのか?」という意味だろう。
私は首を横に振った。
私が姫だと知ったら、剣も握らせてもらえなくなるだろうし…
守られる自分は嫌いだから……
「相変わらず男前ね、スイラン」
「ディオナはいつも素敵なレディだよ」
お互いに苦笑いを浮かべる。
ディオナは昔から本当に女性らしい女性だった。
それが羨ましく思った時期もあったけど、今は半々ね。
女性としてありのままの姿でいたい私と、剣を持ち自分の力で誰かを守れる強い僕。
「スイラン王子、自己紹介しても?」
すっかり外面になるレインに、私はまた苦笑いを浮かべてしまう。
「あぁ、彼は僕の側近の…」
「レイン・クロードです。国家認定騎士団に所属しています」
レインは足を揃えて敬礼する。
「まだ若そうなのに!優秀な騎士なのですわね」
「彼は、最年少で国家認定騎士団に入団してますからね、もちろん優秀な騎士です」
ディオナの言葉に、マルクスが答える。