深紅の花に姫君《改装版》
白銀の騎士と月夜の再会
⭐rain side⭐
舞踏会から数日後、俺は騎士団長に呼び出され、騎士団長室へと向かった。
「おい、レイン~。お前、何やらかしたんだぁ?」
廊下を歩いていると、団員のシェイド・ガーナンが俺の肩に手を回してきた。
「シェイドさん、俺何もしてないんすけど」
「ハッハッハ!冗談だ、まぁ、お前も騎士団に馴れた頃だからな、任務も増える。きっと悪い話じゃないだろうよ!」
明るく俺の背中をバンバン叩き、去っていく。
「シェイドさん、相変わらず面倒見良いよな」
入団した、頃、良く励まされた。
俺の良き先輩だ。
さて、行くか。
俺は深呼吸して、拳を握り締める。
ーコンコンッ
「おーう、入れ!!」
「失礼します!」
そして中に入ると、そこにはどっかりと椅子に腰かける騎士団長の姿があった。
団長は俺を見るなり笑顔を浮かべる。
「待ってたぞー!!」
「嫌な予感しかしねぇ」
この不気味なくらい笑顔な団長は、何かを企んでる時の顔だ。くそっ、何だよ、何を押し付ける気だ?